パピヨンを飼う人も、すでに飼っている人もその犬種の性格、特徴を知ることが重要です。それを踏まえて生活のこと、しつけのこと等を考え、お互いの信頼関係を築いていく必要があります。

性格

パピヨン 画像

パピヨンの性格は見た目と同様にエレガントかつチャーミング、また明るく陽気で活発です。他の犬との順応性も高く子犬の時期でも大きなラブラドールなどに「遊んで!」と向かっていくほどです。

そして高い知能を持っています。知能においてはThe Intelligence of Dogsの北米の訓練士へのアンケート調査の「犬のIQテスト」結果で示されるように様々な犬種中の第8位です!Intelligence of Dogsのランキングトップテンにその犬が作出された目的と現在の犬種グループも合わせて纏めてみましたが、愛玩犬なのはパピヨンだけで、他の犬は誰が見ても頭が良いことで有名な犬ばかりです。これを見るとパピヨンってすごいと思いませんか?


ただしパピヨンは小型犬ですので、シェパードやラブラドールみたいに忍耐力や精神力はありません。頭はよくても集中力は続きません。しつけや訓練をする場合は15分くらいを目安とするのがよいです。それ以上の時間を続けて行っても集中力がないので吸収しませんし、しつけや訓練自体を嫌いになってしまう場合もあります。トレーニングは散歩の時、部屋で遊んでいる時でもいいので、15分ほどを1日2〜4回行うといいです。
そしてパピヨンは非常に気まぐれでお調子者です。ランはイケナイことや私の命令が分かっていますが、こっちが真剣にそれを言っているか様子をみて、ごまかそうとしたりします。中途半端にそれを許してしまうと服従心のない子に育ってしまう恐れがあります。強く言うと命令をきくので言っていることは分かっています。子犬の頃噛んできた時に、口を手でギュッと衝撃をいれながら掴んで躾をしましたが、しまいに本気でやらないということが分かって効果がなくなりました。こういう子には少しだけきつく躾をした方が良いと思います。逆に良いことをした時は愛情をもってめいいっぱい褒めてあげると良いことをしたから褒められたというのが分かるのでいいでしょう。たくさん褒めてあげましょう。 またパピヨンはよくちょっかいを出してくるので、そんな時はかまって遊んであげるとよく喜びます。遊びながらそのまま躾の訓練に移行すると大変効果があります。私が読んだ全ての本には犬から「遊んで!」の時は無視して、人から誘うようにしましょうと書いてありましたが、間違っていると思います。訓練だって犬が飼い主にかまって欲しい時や、集中している時の方が効果があります。全てのことに言えますが、犬を犬として見るのではなく家族、、自分の子供と思えばどうするのがいいのかが分かるはずです。

またパピヨンは音を聞き分けたり、見たものを見分ける能力も高いように感じます。例えば散歩に連れて行くときは私服なので、私が私服に着替えると散歩に連れて行けと催促してきます。スーツに着替えると仕事に行くというのが分かるみたいで、じっとこっちを見て「ハウス」のコマンドを待ちます。土日は私服なので「やったー、今日はずっと一緒にいられる」という態度をします。

外見

パピヨン ラン 画像

どんな犬も同じ犬種において個体差はありますが、パピヨンの外見は、色、模様、大きさ等がそれぞれすごく異なります。散歩をしていてパピヨンに出会っても似ている子に会うことはめったにありません。それゆえに自分の犬には愛着が沸きます。きっと何頭ものパピヨンがいても、、後ろ姿からでも自分の犬の区別が付くでしょう。

色はレッド&ホワイト ( 薄茶+白 ) 、ホワイト&セーブル ( 白+黒茶 ) 、ホワイト&ブラック ( 白+黒 ) 、トライカラー ( 白黒+茶眉 ) の4種類が基本色になります。うちの2頭のパピヨンはたまたま両方ともホワイト&セーブルですが、どの色もそれぞれ特徴があり素敵だと思います。散歩をしていてレッド&ホワイトとホワイト&セーブルは見かけますが、ホワイト&ブラック、トライカラーの子を見かけることはほとんどないです。

模様は白の部分が少ない子もいれば、多い子もいますが、頭部から耳に左右対称の模様と鼻から頭部に適度なブレーズ ( 白い部分 ) が入っており、それがまるで蝶 ( パピヨン ) のように見え、尻尾のストップ ( 付け根 ) にも模様が入っているのが理想のようです。ドッグショーにおいてはこれら以外に模様が入っているのも良しとされますが、白い部分が多いほうがショーで引き立つとされる場合もあるようです。ちなみに色も模様も成長とともに変化します。当然毛は伸びるので、黒や茶の部分の割合は見た目で増えたようになります。またブレーズも子犬の時よりも狭くなります。色、模様を気にされる方は子犬を選ばれる時にこの辺を注意した方が良いかもしれません。

被毛は豊富で、胸とお尻の部分が特に豊富です。また蝶のような長いイヤーフリンジ ( 耳の飾り毛 ) が特徴です。だいたい2年まで被毛は伸び続け完成します。基本的にはシングルコート ( 下地に細かな毛が無く、かき分けた時に皮膚が見える ) で光沢のあるシルクのような直毛で抜け毛はほとんどありませんが、例外的にダブルコート ( アンダーコート ) の場合や、毛玉が出来やすいような細かな毛の場合もあります。ブラッシングは週2,3回〜毎日軽めにしてあげます。ただし換毛期 ( 春先から初夏の6月あたり ) には相当毛が抜けます。この時期は毎日クイックルワイパーなどで部屋の掃除が必要なほどです。私はこの時期一日1〜2回十分にブラッシングし、死毛を取り除きます。マッサージ効果もあり新しい毛が生えてくる準備をします。

パピヨン 体高

大きさはパピヨン関連の書籍に3〜5Kgと書いていることが多いですが、実際には3Kg前後が多いのではないでしょうか。ドッグショーに足を運ぶとショーにエントリーしているパピヨンのほとんどは ( 視覚で ) 3Kg以内です。けど面白いことにどの本を見ても体高は28センチ以内となっています。これはなんででしょうね。ちなみに体高とは、犬が立った状態で、地面から背中までの高さのことです。背中といっても首近くのき甲の部分です。パピヨンの体格 ( 成長 ) はだいたい生後8ヶ月間できまり、それ以降はベスト体重をキープするように努めるのが良いようです。

全体としてパピヨンの体は華奢で骨も細いです。しかし反対に活発な性格のため過度な運動をしてしまったり、ジャンプが好きで膝の故障 ( 膝蓋骨脱臼 ) や骨折をしてしまいがちなので、飼い主の注意が必要です。

運動

パピヨン 散歩
パピヨン 脱走

パピヨンは非常に運動能力に優れ、アジリティー ( 犬の障害物競走 ) などにも参加している犬種です。体力も豊富ですので、公園で飼い主とボール遊びやフリスビー、駆けっこなども楽しめます。ただし骨の細い子の過度な運動は気をつけて頂きたいと思います。また運動能力は本当に高く生後3ヶ月くらいの子でも屋根のないゲージを飛び越えたり、よじ登ってしまいますので怪我防止のためにも屋根つきのものをお勧めします。ある日、仕事から家に帰ったらランがハウスから脱走していました。(^ ^;)
散歩は1日平均30分くらいがいいようです。15分くらいで休日にたくさん遊んであげるのもいいと思います。そういう意味でもパピヨンは毎日散歩に連れていけ、活動的な人に向いています。

ここで少し犬の睡眠時間についても説明したいと思います。犬は1日の2/3を睡眠時間に費やします。実際に起きている時間は8時間ほどということになります。とは言っても人間みたいに熟睡するという感じではなく、寝たり起きたりを繰り返します。犬が寝ている時は邪魔をしないでそっとしてあげてください。

パピヨンの運動能力の高さを示すものとして、「パピヨンの館」Mikaniyan Kennelのサイトで提供されているパピヨンのアジリティーの動画をご覧ください。 ( Mikaniyan Kennel様、リンクの許可に感謝致します。 )

さてパピヨンにおける適度な運動量などにふれましたが、これはあくまで散歩などの量であって、私のように一人暮らしで犬を飼っている方はどんなに仕事で疲れて帰っても、忙しくても、犬の相手をしてあげてください。私も疲れて散歩に行かない時もあります。しかし犬とじゃれあったり、振れあいの時間を持たないことはありません。けっして、トイレを済ませて食事を与えておけばいいと思わないでください。先ほども言いましたが「ただの犬」として見るのではなく「家族」として見てあげてください。あなたの犬がおもいっきり甘えられるのはあなただけです。犬に愛情と振れあいを与えてください。こういったことも本には載っていませんが、散歩の時間なんかよりもはるかに重要なことだと思います。

パピヨンの歴史

パピヨンの起源については様々な説があります。しかしその歴史は愛玩犬の歴史でもあり、14世紀 ( 1300年代 ) 頃の絵画にパピヨンに似た小型犬が登場し、その頃まで遡ると言われています。原産国についてはJKC犬種標準にはフランス、ベルギーとありますが、スペイン、イタリア、ベルギーのどれかという説が有力です。この頃のパピヨンはエパニエル・ナン、さらにそれを小型に改良したコンチネンタル・トイ・スパニエルと呼ばれ現代のような立ち耳のパピヨンではありませんでした。
16世紀 ( 1500年代 ) にはフランスをはじめとしたヨーロッパの貴族階級で特別な扱いをうけ、確固たる地位を築いていたようです。さらに17〜18世紀 ( 1600、1700年代 ) にはヨーロッパ諸国は絶対王政時代を向かえ、ベルサイユ宮殿に代表されるフランスをはじめヨーロッパ各国の宮廷の王侯貴族たちがパピヨンのゴージャスで優雅な雰囲気から貴族の地位の象徴としてパピヨンを競って求めました。当時の人気は相当で、非常に高価で取り引きされたパピヨンを各国の王侯貴族に売るだけで貿易商が成り立ったとさえ言われてます。
特にこの時代、ルイ十五世の愛人であったポンパドール夫人やルイ十六世の王妃であったマリーアントワネットの寵愛を受けたことで有名です。彼女らをはじめ、この時代の王侯貴族の肖像画には必ずと言っていいほどパピヨンが描かれています。
しかし絶対的な人気を誇ったパピヨンも、1789年のフランス革命でルイ十六世、マリーアントワネットが処刑されると同時に、富の象徴として大量虐殺にあいました。
絶滅の危機を迎えたパピヨンですが、愛犬家たちにより19世紀 ( 1800年代 ) にチワワとスピッツの血を借りてなんとか絶滅を免れました。この頃から立ち耳のパピヨンになってきたと言われています。そしてその蝶のような耳からパピヨンと呼ばれるようになったようです。ちなみに現在では、垂れ耳のパピヨンをファレーヌと呼びます。

パピヨンの歴史から話はずれますが、チワワに似ているパピヨンもスピッツに似ているパピヨンもいますが、スタンダードの観点から見た場合はよくないようです。けれどもロングコートチワワとパピヨンは良く似ている場合があります。なぜなら、チワワはもともとスムースのみでしたが、改良によってロングコートチワワが誕生しました。その際使われたのがパピヨンとポメラニアンだといわれています。