犬は病気になってもそれを訴える言葉がありません。また痛かったりしても赤ちゃんのように泣き喚いたりもしません。犬が健康かどうか、、便に異常がなく適度な硬さである、鼻が適度に湿っている、下腹が異常にふくれていない、食欲がある等、いつも見てあげる習慣をつけてください。飼い主は犬の微妙な変化に気づいてあげ、定期的に獣医さんに連れて行って日常のちょっとした変化を伝え、診察をさせてあげることが大切です。また飼い主同士で情報交換をしてよい獣医さんを見つけてください。
犬がかかる病気には様々なものがありますが、ここでは、パピヨンを飼う上で特に注意してほしいものとその対策を紹介させて頂きます。すべて飼い主が対策をすることで免れることができるものです。一生を共にする愛犬にいつまでも健康でいてもらうためにも飼い主が健康に注意をしてあげてください。

伝染病と狂犬病

狂犬病は年1回、4月から6月までに狂犬病の予防注射を受けなくてはいけません。日本では1957年以降、狂犬病の発生はありません。そして現在、イギリス、スペイン、イタリア、オーストラリア等の国においても狂犬病の発生はありません。しかし、その他の国では発生は多く、海外からの侵入による発生を防ぐ上で法律で義務化されています。

また様々な伝染病から犬を守るためにワクチン接種は年1回受けます。ワクチンでできた免疫の持続期間は約1年です。
ワクチンは複数種類の伝染病を一度に予防できる混合ワクチンで、犬ジステンパー、犬伝染性肝炎、犬アデノウイルス2型感染症、犬パラインフルエンザ、犬パルボウイルス感染症、犬コロナウイルス感染症、犬レプトスピラ感染症コペンハーゲニー、犬レプトスピラ感染症カニコーラ、犬レプトスピラ感染症ヘブドマディスなどの病気を予防します。

また子犬は生後2ヶ月〜4ヶ月くらいの間に3週間〜1ヶ月間隔で3回のワクチン接種を受けます。子犬は、生まれてすぐに母犬のお乳を飲むことによりウィルスや細菌に対する免疫を譲り受けます。この免疫によりしばらくの間は病気の感染から守られますが、免疫は徐々に低下していきます。ワクチンを注射することで子犬自身に免疫を作らせます。

膝蓋骨脱臼 パテラ

膝蓋骨脱臼 [ しつがいこつだっきゅう ] ( パテラ ) は、後ろ足の膝蓋骨 ( お皿の部分 ) にかかった圧力により脱臼を起こす病気です。病気というよりも状態と言った方がいいかもしれません。たまにはずれる軽い症状から、はずれっぱなしになっている重い症状まであります。小型犬の場合、内側にお皿を動かしてみて、はずれるか、痛がる場合、たまにびっこをして歩いている場合もこの病気の可能性が高いです。パピヨンをはじめ小型犬によく見られ、主に先天的ですが、滑りやすいフローリングなどで転ぶなどして、後天的に外傷性のになってしまうことはかなりあるようです。

対策

犬用 ワックス

高いところから飛び降りたりさせないように注意しましょう。またフローリング等で生活している場合は、床に滑らない素材を敷くか、滑り止めワックスを定期的に塗ってあげます。動物病院に脱臼で通院する犬の約8割がフローリング床での転倒が原因のようです。
私の家もフローリングなので、1ヶ月おきにワックス「JOYPET 犬用 スリップ防止 ワックス」を塗っています。定価は3,000円ほどですが、インターネットショッピングで探せば1,000円ちょっとで購入できます。効果は商品説明に6ヶ月持続するとありますが、実際には1ヶ月ほどで効果が薄れてきます。1ヶ月おきにたっぷり重ね塗りします。半日ほどで乾くのでいつも休日に愛犬と遊びに行く前に塗っています。安価なことと、乾きが早いのでこれを使用していますが、もっとお勧めのワックスなどご存知の方がいましたら、是非教えてください。
またフローリングにワックスを塗ると滑りにくくなるだけでなく、弾力性も増すので骨への負担も軽減できます。

その他のワックスの選択には犬が舐めても大丈夫なように、化学原料等が含まれていないものを選ぶ必要があります。

フィラリア症

フィラリア症は、蚊を通してフィラリア ( 犬糸状虫 ) の寄生虫が心臓や肺の血管に寄生し、心臓や肺、肝臓、腎臓などの臓器に、循環器障害や呼吸障害等を起こし死に至る場合もある犬にとっては最も恐ろしい病気の一つです。
初期症状としてゼー、ゼーとした軽い咳が見られたり、運動を嫌がるようになるので、このような症状がでたら獣医さんに診てもらいましょう。症状が進行すると失神したり、腹水してお腹が異常にふくらんでくるなどの重い症状へ変化します。

対策

犬 フィラリア 薬

蚊の出る季節には、蚊の多くいるような場所では犬を遊ばせず、部屋でも蚊がでないような対策をしてください。蚊は気温が15℃以上で活動すると言われています。獣医さんの指示に従って毎月1回フィラリアの内服薬を飲ませてあげる必要があります。現在は注射よりも内服薬が一般的で、ジャーキータイプ等もあります。与える期間は蚊の発生する時期 + 1ヶ月で東京ではおおよそ5月〜11月です。
気をつけなくてはいけないのは、フィラリアの薬は感染幼虫の駆虫薬であって予防薬ではありません。犬が蚊に刺されて、体の中に入ってくるフィラリアの幼虫を、心臓へ到達する前に1ヶ月間ごとに薬を使って殺します。薬を飲ませなかった場合、幼虫は心臓に到達して成虫となります。こうなるとフィラリアの薬は効いてくれません。必ず1ヶ月に1回飲ませてください。また既にフィラリアに感染している場合は体の拒否反応が出る場合もあるので、くれぐれも獣医さんの指示を仰いでください。

ノミ、ダニ

ノミは、ペットの血を吸い、カユミなどの刺激を与えてペットにストレスをもたらすだけでなく、ノミアレルギー性皮膚炎やサナダムシの媒介など、健康上重大な問題を引き起こすこともあります。しかも、暖房のゆき届いた近年の住環境では年間を通して寄生と繁殖を繰り返すため、完全な駆除は容易ではありません。
一方ダニは、どのような場所にも繁殖し、危険な病気を媒介するペットの大敵です。またダニは、ペットのみならず、人間に対しても健康上の問題を引き起こします。

対策

犬 ノミ ダニ 薬

ノミ、ダニは散歩や、公園、草むらなどの外から拾ってくることが多いです。まずは2週間に1度 ( 夏場は1週間に一度でも良いです ) のシャンプーと、毎日の定期的なブラッシングを心がけましょう。そしてフィラリアと同様に獣医さんの指示に従って1ヶ月〜1ヶ月半ごと ( 薬によって異なる ) のノミ・ダニの予防薬を使います。時期は一般的に4月〜10月です。
主にスポットタイプのものがあり、犬の首筋 ( 背中側 ) の舐められない部分に垂らして投与します。シャンプーや水浴をしても効果が長時間持続します。またペットショップなどにも同様のものが販売されていますが、病院のものよりも効果が薄いため、獣医さんに相談するのがよいでしょう。

熱中症

犬には汗腺 ( 汗を出す腺 ) がないので、人間のように汗をかいて体温を調節できません。そこで口をあけてハアハアと息をしたり、ひんやりとした地面に体をつけることで体温を調整します。
しかし暑い日にエアコンがかかっていない車の中に放置したり、照りつける太陽や熱をもったアスファルトの悪環境下では体温はあっという間に上昇し体温調整がうまくいかず熱中症や日射病になってしまいます。その場合、嘔吐や痙攣、ショック症状を引き起こすこともあります。

対策

夏の日差しの強い季節は、散歩はなるべく朝と夜、日中でも日差しの強くない時間にし、お出かけをする場合は適度に冷たい飲み水を必ず用意します。アスファルトの地面が暑くないかなど飼い主が直接、顔や手を近づけて確認します。日中のお出かけの際、いつも以上にハアハアしていたら涼しい場所に移動しましょう。 熱中症の症状がみられた場合は、体全体に水をかけたり風通しのよい場所に移したりして下さい。また水を十分に飲ませてあげることも大切です。

歯周病

犬は人間と違い口の中がアルカリ性で虫歯菌が繁殖しにくい環境のためほとんど虫歯になりません。しかし歯周病という怖い病気があります。歯周病は動物で最も起こりやすい病気の1つで、5歳以上の犬のほぼ80%以上が歯に関係する病気を持っていると言われているようです。
口の中の食べかすや唾液が歯について歯垢ができます。歯垢に唾液中のリン、カルシウム分がこびりつき石灰化して歯と歯茎の境目に歯石ができます。歯石を放置しておくと、歯の周辺の歯肉や歯槽骨まで炎症が達して歯周病になります。
歯周病になると、食事をする時に痛みを伴うい食欲がなくなります。またバイキンが炎症をおこした歯肉などから進入して心臓や腎臓などへ運ばれ心臓病・尿毒症を引き起こす原因にもなります。進行すると歯が抜け落ちてしまいます。犬には入れ歯がないので、こうなっては大変です。

対策

歯垢が歯石になるのは3〜5日と言われています。毎日の歯みがき、最低でも3日に1回は歯磨きをしてください。